ひらめきのご飯


出会ってすぐに大好きになってしまった、料理人がいます。 それが、本道佳子さん。 長くアメリカでシェフをされていて、帰国後は自分のお店を開き、 クローズ後は『国境なき料理団』として、世界中でご飯を作り続けている人。 あるイベントでご一緒したのは、もう2年前のこと。 昨年末久しぶりに再会しご飯を頂いて、再び感動してしまったのだけれど、 ご縁が繋がって初めてアシスタントによんでもらいました。 私が彼女に惹かれてしまった最大のポイント。 「ひらめきの料理」、つまりレシピがないということ。 初対面の時も、再開の時も、そして今回ももちろん、そう。 当日、届いた野菜の箱を開けて言うのです。 「さて、何を作ろうか!」と。 その時のインスピレーションで、調理法や組み合わせを思いつくまま書き出します。 しかし、これもまた仮のメモ。 実際台所に立って、作り始めたら、どんどん料理は変化していきます。 「これとこれを合わせてみようか」「これは生のまま食べようか」…と。 その柔軟さと直感力に、毎回惚れ惚れしてしまうんです。 もちろん、最終的に出来上がった一皿一皿は絶品。 長く色々な場所で料理をしてきた経験は、もちろん土台にあります。 だからこそ、自由な発想で料理ができるんだともいえるでしょう。 でも私はこうも思うのです。 彼女は誰よりもその日その時の素材に向き合っているって。 例えば、うど。 この時期にうどといえば、定番は酢味噌和え。 でも本道さんは、生のうどをケーパーで和えて、黒糖で煮たリンゴを添えたんです。 若い爽やかなうどに、酢味噌は強すぎない?と笑っていました。 もう一つのポイントは、ケーパーを塩抜きせずそのまま塩味として使うこと。 そしてその塩味を和らげるために、甘酸っぱいリンゴと組み合わせたこと。 定番を否定しているわけじゃない。 定番に囚われていないんです。 だからこそ、ひらめきをそのままにお皿に表現できるんだなぁって。 丸一日隣にいて、ビックリとドキドキとワクワクでいっぱいでした。 料理って、無限に広がる宇宙。 法則もあって、理論もある。でもその先には前人未到の一品が、果てしなく広がってる。 それはプロの料理人さんだけの世界じゃないんです。 私を含め、誰の台所の先にもある宇宙。 感じてみませんか? 一緒に。

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